ツタンカーメン王の前で恥を知れ ~アフリカ旅行記⑩~
ルクソールに到着し、 カルナック神殿やガッカリミイラ博物館を見て回った前回。
1.王家の谷へ
朝9時頃に起きて、渡し舟で死の谷方面へ向かう。
死者の都には、わずか数分で到着。
いざ、王家の谷へ向かう。
チャリで
タクシーを使うのが一般的な王家の谷へのアクセス手段だが、節約のために我々が選択したのはレンタサイクル。
海外バックパックの旅は、いつもこんなもの。ユーロやUSドルならば余分におろせるので、そこそこ余裕を持てる。しかし万が一エジプト通貨(エジプトポンド)など余らせようものなら、出国した瞬間紙くず同然だ。ゆえに、そうした2度と来ない可能性が高い国の通貨はギリギリしかおろさないのでいつも財政はひっ迫する。
というか、たとえお金があったとしてもラクダ乗りの一件もあるので、タクシー運転手と交渉などしたくないが。
2.途中で昼食
オフラインmapアプリ「maps.me」が指し示すままに、ひたすら乾いた熱風が吹き荒れる中を進む。
2時間ほど漕ぎ続けて手持ちのミネラルウォーターが尽きそうになる頃、食事出来そうな店を発見したので休憩に。
もうランチの時間は終わってしまい、トマトとチーズ、パンしかないそう。しかし空腹と渇きの前にはどんな粗食もご馳走に変わる。
夢中でトマトをむさぼった。言葉も出なくなるほどうまい。
3.王家の谷に到着
2時間以上漕いで、ようやく王家の谷の入り口に到着。
「谷」というだけあって、本当に傾斜が多くてきつかった。
王家の谷には、古代王たちの墓が60以上も集中している。
その内、中に入って見学できるのは15か所程度だ。
墓には番号がふってある。
観覧料金も細分化されており、任意の墓3つで200ポンド(1200円ほど)となっている。そして、メインのツタンカーメンの墓に関しては別料金となっており、こちらは1つで200ポンドだ。
4.ツタンカーメン王の墓には魑魅魍魎
一通り王家の谷の墓を見終わり、いよいよツタンカーメン王とご対面だ。
若くして即位し、わずかな即位期間のうちに死去したツタンカーメン王。
いまだに歴史的な謎が多く、詳しいことはわかっていない。まさにミステリーである。
しかし、再びそんな高揚感に水を差すやつがいる。
係員だ。
ツタンカーメン王の墓は撮影が禁止となっている。当然、ルールに従ってスマホもオフににしてあるのだが、
「写真撮らなくていいのか?」
といやらしい笑顔を浮かべながら撮影を勧めてくる。
もちろん目的は賄賂である。しかもこの係員、相当にしつこい。
何度断っても、「いいのか?本当に撮影しなくていいのか?」と撮影を勧めてくる。
うるせえな。静かに見させてくれよ。
結局、今回も静かに遺跡を堪能することはできなかった。エジプトこんなんばっかり。
ピラミッドに続いて、ここでも行政の人間が不正を働いているとは。ツタンカーメン王もあの世で嘆いているだろう。